ビニール傘の製造工程
普段、我々の生活の中で身近な存在のビニール傘ですが、
実際に、国内でその製造工程を見ることはできません。
なぜならば、日本国内のビニール傘の製造は、その大半が、中国を始めとした海外製造のため。
では実際に、どのような行程を経て、ビニール傘は製造されるのでしょうか?
部品の製造から、組み立て工程、そして日本に届くまでを見ていきたいと思います。
ビニール傘の部品
ビニール傘の手元になります。
大きな機械に原料の粉末を入れて、成形していきます。
しばらくすると、ビニール傘の手元部分が、バラバラと大きな生成機から出てきます。
それを一つずつ、切り離して、次の工程に運びます。
こちらは、ビニール傘の骨にあたる部分です。
一本、一本、手作業により金具をとめながら、つなぎ合わせていきます。
これを繰り返して、一本のビニール傘の骨ができてきます。
こちらが完成した金具です。ビニール傘を開いたときに内側に見える骨になります。
金具部分とは別に、傘の生地の生産を行います。
こちらは別の生産ラインになります。
こちらの生地は、ビニール傘の乳白(エンボス)の生地のため乳白色の色をしています。
ビニール傘の製造工程
きれいに長く伸びた生地を今度は、ビニール傘に合うように
三角形に切り出します。こちらも手作業での工程になります。
傘の生地を三角形に切りだしたら、次はその生地を縫い合わせる作業になります。
一枚、一枚、人の手によって三角形の生地をミシンで手作業により縫い合わせていきます。
縫い合わせを行う作業所では、多くの若い女性の工員が
作業をおこなっていました。
ミシンをかける音が鳴り響き、工場の中でも
もっとも音がうるさいエリアの一つです。
こちらは、ビニール傘の骨組の組み立て作業になります。
ここまでくると、見覚えのある形をしているのでどの部品かわかってきます。
作業は開閉がスムーズかどうかをチェックしながら、骨の部品を組み合わせていきます。
こちらの作業もかなり修練されないと難しい作業で
手早く開閉チェックをしながら、それと同時に部品を組み立てていく動作は
熟練の技が必要です。
ビニール傘の出荷
完成したビニール傘は、大きなコンテナに積まれ、中国の港に運ばれ、
海を渡ってそこから数日かけて、日本の港に届きます。
写真のコンテナは40フィートのコンテナになります。
バンニング(積荷作業)も、フォークリフトと手作業により、
数時間をかけてコンテナにきれいに詰め込まれます。
全ての工程において多くの手間と人の手がかかり生産されているのが
ビニール傘の工程の特徴です。
日本の港についたコンテナは、通関検査を経て、
コンテナをドレー(コンテナ専用大型車両)で大型ロジスティクスセンターに運ばれます。
ロジスティクスセンターで、外箱に破損やへこみ等がないかチェックされ、不良品ははじかれます。
ロジスティクスセンターでもコンテナからのデバン(積み下ろし作業)に大人6人ほどで2~3時間の時間を要します。
フォークリフトも使用しますが、基本は手作業のため手間がかかる作業になります。
ビニール傘の外箱は、重さで下の商品がつぶれないように、
最大5段までの積み上げの保管にすることで品質を維持しています。
また、外箱も、汚れやゴミ等が紛れ込まないように
ビニールでラッピングします。ラッピングすることで荷崩れや汚れがでないような効果もあります。
こうした物流を経て、各店舗や会社に運ばれ、皆様の手に届くのです。
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